敷金・礼金ゼロの「ゼロゼロ物件」の悪い事例

敷金・礼金ゼロの「ゼロゼロ物件」の悪い事例

田村がガソリンスタンドでバイトしていた時の先輩・山田(31歳)が大野行政事務所にやってきた。

なんでも、家賃を1日滞納しただけで、部屋のカギを変えられてしまったという。

やり手行政書士・住吉と行政書士補助者の田村は、その山田が契約した敷金・礼金ゼロを売りにしている「阿功徳不動産」に乗り込む。

田村が「遅れた家賃はここで支払うので、新しいカギを渡してくれますか」と言うと、阿功徳不動産の社長・瀬古井(38歳)は次のように答える。

新しいカギを渡すには、

・滞納分の賃料:50,000万円
・カギの交換費:15,000円
・違約金   :20,000円(賃料の40%)

の賃料+35,000円を頂くことになっている。


住吉が「たった1日入金が遅れただけで35,000円も支払えだなんて、さすが元サラ金業者の方はやることが悪どいですねー」と言うと、瀬古井は次のように反論する。

(1)うちはお客様のために、敷金・礼金をゼロにしている。

(2)その分、うちが抱えているリスクは大きい。

(3)「お客様が1日でも家賃を滞納すれば、それなりの罰金を頂きますよ」というシステムになっている。

(4)お客様が家賃滞納なんてしなければ、お互いがハッピー。


この瀬古井の言い分を聞いた住吉は、「借地借家法」を持ち出す。

借地借家法とは、「借り主にあまりにも不利な特約は無効だ」と定められている。

しかし、瀬古井はさらに次のように反論する。

(1)借地借家法は不動産の賃貸の話。

(2)うちはそもそも部屋なんて貸してない。貸しているのはただのカギ。

(3)この物件の場合、部屋はカギについている無料のサービス。

(4)契約書にも「この契約は借り主が当社の所有するカギを賃借することを目的とする」「本契約は不動産の賃貸借ではなく、借り主の居住権や営業権は認めれない」と書いている。


「こんなに業者に都合良くできている契約書は無効に決まっている。」と言う田村。

「実体は部屋の賃貸借なのに、貸しているのはカギだけなんて、ずいぶんとセコイ手口を見つけたものですねぇ〜」と言う住吉。

すると、瀬古井はまたまた、次のように反論する。

(1)この国の仕組みでは、「契約書にカギの賃貸借だ」と書いてある限り、裁判所が「いやいやそれは違いますよ」と認定するまでには、うちはお客様にカギを貸していることになる。

(2)文句があるなら、どうぞ裁判所に訴えて下さい。

(3)まぁ、そんな金と時間があるなら、そもそも家賃を滞納なんてしないでしょうが。


この瀬古井の言い分を聞いて、「法はあなたを許しませんよ」と言い、再度出直すことを伝える住吉。


【管理人の感想】
不動産屋なのに、「部屋を貸しているのではなく、カギを貸している」なんて、ずいぶんとヒドイ言い分ですね。。

常識的には通用しない言い分だと思われますが、法の抜け穴を利用した手口みたいですね。

不景気のせいか、敷金・礼金ゼロの「ゼロゼロ物件」は最近流行っているようです。

ただ、ごく稀に、悪徳不動産業者が「ゼロゼロ物件」を扱っていることがあるそうなので、気を付けたいですね。

「ゼロゼロ物件」と契約する前に、ネットなどで評判を確かめた方がいいでしょう。